荷物はできるだけ軽くしたいのに、ツーリング先で焚き火を楽しみたいという悩みは、バイク旅をする人なら共感できるはずです。
焚き火台は重量や収納サイズ、分解構造、耐久性、組立時間、燃料互換性、付属品といった要素で選び方が変わり、何を優先するか迷ってしまいます。
この記事ではツーリングでのキャンプ用焚き火台を、持ち運びやすさと実用性のバランスで絞り込み、具体的な選び方と持ち運び術をわかりやすく紹介します。
ピコグリル型やメッシュ型、プレート型といったタイプ別の特徴や、ステンレス・チタン・鋼・アルミの素材ごとのメリット、現地での安全チェックとメンテ方法まで順に解説します。
まずは自分の優先順位の付け方と軽量化のポイントから見ていきましょう。
ツーリングキャンプ向けの焚き火台選びと持ち運び術
ツーリングで焚き火台を持っていく際は、荷物全体のバランスや目的を最優先に考える必要がございます。
軽さだけで選ぶと調理や耐久性で困ることもあるため、複数の条件を見比べて判断するのが賢明です。
重量
バイクでの持ち運びを考えると、焚き火台はできるだけ軽い方が望ましいです。
目安としては500g未満の超軽量モデルから1.5kg前後のしっかりしたモデルまで幅があります。
軽さを重視するとチタン製や薄手のステンレス製が候補になりますが、強度や熱変形とのトレードオフが発生します。
荷物全体の重心を低く保つために、焚き火台はパニアやシートバッグの中心付近に入れると走行安定性を損ないにくくなります。
収納サイズ
収納時のかさばり具合は、バイクの積載スペースに直結する重要項目でございます。
| タイプ | 目安収納サイズ |
|---|---|
| 超コンパクト | 15cmから25cm |
| 小型 | 25cmから40cm |
| 中型 | 40cm以上 |
折りたたみ式や分解式は薄く収納できるため、ロールバッグやトップケースの隙間に収めやすいです。
ただし、薄く畳めるモデルは形状保持のためのケースや袋が必須になることがあります。
分解構造
分解構造は持ち運びと組立のしやすさに直結いたします。
ネジやボルトで固定するタイプは堅牢ですが、工具が必要になる場面が出てきます。
一方でスライドや差し込みで組む工具不要タイプは、現地での組立が早く行えます。
小さな部品をなくさないように、パーツごとに収納袋を分けておく習慣をつけると安心です。
耐久性
耐久性は素材と厚みによって左右されますが、使用頻度と火力の強さも重要な要素です。
薄い板材は軽量ですが、連続した高熱で曲がりやすくなりますので注意が必要です。
焚き火台の縁や脚の接合部は特に負荷がかかるため、補強がしっかりしたモデルを選ぶと長持ちします。
耐久性を補完するために、火床に耐熱プレートを追加装着する方法も有効です。
組立時間
ツーリングでは短時間で設営と撤収ができるかどうかが快適さに直結します。
ワンタッチで展開できるタイプは手間が少なく、夜間や雨天で重宝いたします。
初心者の方は、自宅で一度組み立てる練習をしておくことで現地での手間を大幅に減らせます。
燃料互換性
焚き火台を選ぶ際は、使いたい燃料が対応しているかを確認してください。
薪専用の浅型は炭を使うと灰の飛散や空気流れが悪くなることがあります。
炭も薪も使いたい場合は、深さや空気孔が両方に対応できるモデルを選ぶと便利です。
ガスバーナーと組み合わせる際は熱源の接続安定性を事前にチェックしておくと安全です。
付属品
付属品の有無で運用のしやすさが大きく変わります。
- 収納ケース
- 焼け焦げ防止シート
- 火床プレート
- グリル網
- 収納袋
収納ケースや袋は持ち運びと地面保護に直結しますので、付属しているかどうかを確認してください。
グリル網や火床プレートが付属していると、別途買い足す手間が省けることが多いです。
ツーリングで選ばれる焚き火台タイプ
ツーリングで使う焚き火台は軽さと使い勝手のバランスが重要です。
ここでは代表的なタイプの特徴を、現地での使い勝手という視点でわかりやすく解説します。
ピコグリル型
ピコグリル型は極限まで軽量化された折りたたみ式の代表格です。
薄いプレートを組み合わせて立体にする仕組みで、バッグに収まる携行性が抜群です。
小さな薪や炭で効率よく燃やせるため、短時間の休憩や暖を取る用途に向いています。
デメリットは直火に近く熱が集中しやすい点で、料理では火加減に工夫が必要です。
メッシュ折りたたみ型
メッシュ折りたたみ型は通気性を確保した網目構造が特徴です。
灰が落ちやすく燃焼効率が高いので薪を効率よく燃やしたい方に向いています。
折りたたみ時の厚みが薄く、パッキングの自由度が高い点も魅力になります。
ただし網目部分に熱と火の当たりが集中するため、長時間の連続使用では変形しやすいです。
プレート折りたたみ型
プレート折りたたみ型は安定感と調理性能を両立しやすい構造です。
厚みのある板を組んで炉を作るため、重量はやや出ますが火持ちがよくなります。
| 特徴 | 向いている人 |
|---|---|
| 安定した天板 | 調理重視のツアラー |
| 耐久性が高い | 長期利用者 |
| 収納はややかさばる | バイクでの車載が中心の人 |
キャンプ飯でグリルプレートやダッチオーブンを使いたい場合に頼りになる選択肢です。
グリル兼用型
グリル兼用型は焚き火と焼き物をシームレスに切り替えられる万能型です。
金属製の格子や専用のグリルプレートが付属することが多く、調理の幅が広がります。
- 焚き火と焼き物が両立
- 構造が頑丈
- 重量がやや重い
ツーリングで料理を楽しみたい方には便利ですが、携行性とのトレードオフになります。
皿状フラット型
皿状フラット型は平らな皿のような形状で、地面との接触面が広く安定します。
焚き火跡を小さく抑えやすく、直置きが禁止される場所でもグラウンドシートと併用して使いやすいです。
収納時の厚みはプレート型ほどではありませんが、丸形のためバッグへの収まり具合を確認したいです。
軽量モデルもありますが、風に弱い点や火力のコントロールが難しい場面がある点に注意が必要です。
素材別メリットと選び方
焚き火台を素材で選ぶときは、重さや耐久性、手入れのしやすさを総合的に考える必要があります。
ツーリングの荷重制限や使用頻度、調理のスタイルによって最適な素材は変わります。
ここではステンレス、チタン、鋼、アルミ合金それぞれの特徴と選び方のポイントをわかりやすく解説します。
ステンレス
ステンレスは比較的入手しやすく、錆びにくい点が最大の魅力です。
耐食性が高いので海沿いや湿度の高い季節でも扱いやすく、長期的に使う人に向いています。
重さはチタンに劣りますが、価格と耐久性のバランスが良いためコストパフォーマンス重視のライダーにおすすめです。
| 特徴 | 向いている人 |
|---|---|
| 耐食性が高い 中~高重量感がある |
長期使用を重視する人 コスパを重視する人 |
| 熱に強く変形しにくい 手入れで長持ちする |
頻繁に焚き火をする人 調理をよく行う人 |
ステンレス製は板厚が重要で、薄いモデルは熱でゆがむことがあります。
購入時は板厚と接合部の仕上げを確認することをおすすめします。
チタン
チタンは驚くほど軽く、持ち運びを最優先にするツーリングには非常に魅力的です。
耐食性も高く、海や雨の影響を受けにくいためメンテナンスが楽です。
その反面、価格は高めで、薄いチタンは変形やへこみに弱い点に注意が必要です。
- 超軽量
- 高い耐食性
- 価格が高い
- 薄いと変形しやすい
調理兼用で頻繁に熱を加える場合は、厚みのあるモデルや補強のある設計を選ぶと安心です。
鋼(スチール)
鋼は熱の蓄熱性と頑丈さが魅力で、炭火や薪火での調理に強みがあります。
耐久性が高く、長く使うほどに味が出る道具感が好きな人に向いています。
ただし錆びやすいため、使用後はしっかり乾燥させ、油を塗るなどの手入れが必要です。
重さがあるためツーリングでの携帯性は劣りますが、バイク容量に余裕があるなら選択肢に入ります。
アルミ合金
アルミ合金は軽量で加工しやすく、携帯性を重視する人に選ばれます。
しかしアルミは熱伝導率が高く、直接強火にさらすと変形や劣化が早く進む場合があります。
焚き火台として使うなら厚みのある合金や表面処理が施された製品を選ぶことが重要です。
短時間の加熱や風防、トレイ用途には非常に便利ですが、直火で長時間使う用途には向かないことを念頭に置いてください。
素材ごとのメリットを理解し、ツーリングスタイルと優先順位に合わせて選んでいただければと思います。
現地での安全対策チェックリスト
ツーリング先での焚き火は気軽に楽しめますが、安全第一で準備と確認を行うことが重要です。
ここでは現地で必ずチェックしたいポイントを、設営前から後片付けまで順を追って説明します。
設営地選び
法律やキャンプ場のルールを事前に確認してください。
禁止区域や火気使用が制限されている場所では焚き火を控える必要があります。
平坦で安定した場所を選んでください。
傾斜地や落石の恐れがある場所は避けると安全です。
周囲に枯れ葉や枝が多くないか、半径3メートルほどを目安にチェックしてください。
木の低い枝やテントとの距離も必ず確認してください。
地面保護
地面への影響を最小限にするため、耐熱性のあるマットや台座を必ず使ってください。
直火が禁止されている場所では必須の装備になります。
| アイテム | 用途 |
|---|---|
| 耐熱マット | 地面保護 |
| 金属プレート | 安定化 |
| 耐火ブロック | 断熱 |
薄手のアルミマットでも一時的な保護にはなりますが、十分な熱遮断が必要な場合は専用の耐熱マットを推奨します。
風向き確認
風の強さと向きを把握してから着火してください。
煙がテントや他のキャンパーに向かないように位置を調整することが大切です。
風上に可燃物がないか、火の粉が飛びやすい方向は避けて設営してください。
突風が予想される場合は焚き火を控えるか、風防で風を遮る工夫を行ってください。
消火準備
火を扱う前に必ず消火用具を手元に用意してください。
- 水バケツ
- 消火器
- 耐火手袋
バケツやポリタンクの水はすぐに使える位置に置いてください。
消火器は使用期限と性能を確認し、取り扱い方を参加者全員で共有しておくと安心です。
燃え残り処理
焚き火を終えたら完全に火が消えていることを必ず確認してください。
残り火が熱を持っている状態で放置すると再発火の危険があります。
水で十分に冷まして指先が触れられる温度になるまで確認してください。
灰や炭は周囲の土に埋める場合でも、持ち帰り用の容器に入れて持ち帰るのが理想的です。
周囲の安全を確認したら、最後に設営場所のゴミや焦げ跡が残っていないかをチェックして終了してください。
メンテナンスとトラブル対処
ツーリング用の焚き火台はコンパクトで使いやすい反面、手入れを怠ると劣化が早くなります。
ここでは普段の洗浄から錆対策、パーツ交換や収納時の保護まで実践的な対処法をわかりやすく解説します。
洗浄と乾燥
使用後は炭や灰をよく落とすことが第一です。
炭の破片は金属面に傷を付けることがあるため、やさしく払ってください。
軽い汚れはブラシとぬるま湯で落ちますが、油汚れがある場合は中性洗剤を薄めて使うと効果的です。
- ウェス
- ナイロンブラシ
- 中性洗剤
- 使い捨て手袋
洗浄後は必ず完全に乾燥させてから収納してください。
錆対策
| 処置 | 推奨頻度 |
|---|---|
| 乾拭き | 毎回 |
| 薄く油を塗る | 使用後毎回 |
| サンドペーパーで研磨 | 必要時 |
ステンレスやチタンでも小さなサビや変色は発生しますので、早めの対処が肝心です。
表面の軽いサビは耐水ペーパーや金属用クリーナーで落とし、仕上げに薄くオイルを塗ると再発を抑えられます。
パーツ交換
分解できるモデルはボルトやワッシャーなど消耗部品を定期的に点検してください。
メーカー純正の交換パーツがある場合はそちらを優先すると安全性と互換性が確保できます。
ネジ山が潰れているときは無理に使わず、新しい部品に交換してください。
紛失しやすい小パーツは予備を用意しておくと現地でのトラブルを防げます。
収納保護
完全に乾燥させた後に専用の収納袋や耐熱シートで包むと傷や湿気から守れます。
長期保管する場合は湿気の少ない場所に置き、乾燥剤を一緒に入れておくと安心です。
重量のある焚き火台は重ね置きを避け、形が崩れないように保管することをおすすめします。
次回も気持ちよく使えるよう、定期的な点検とメンテナンスを習慣にしてください。
次のツーリングで使うための最終チェック
次のツーリング前に、焚き火台と関連ギアの最終チェックポイントを簡潔にまとめます。
最終確認は短時間で済ませましょう。
破損や緩みがないか、収納状態は良好かを確認してください。
燃料の残量や着火具、消火用具の携行、予備パーツの有無も忘れずに点検しておくと安心です。
準備が整えば、あとは天候と禁火情報を確認して安全に出発しましょう。
- 焚き火台本体の損傷とネジ類の緩み確認
- 収納袋と固定ベルトの状態確認
- 予備パーツ(脚、グリル網、クリップ)の携行
- 着火具(ライター、火打ち石)、着火剤の点検
- 消火用具(水、バケツ、耐火シート)の準備
- 燃料(薪、炭)の量と包装の確認

