バイクの排気量について、「どのクラスが自分に合うのか」「排気量ごとに何が違うのか」と悩む方は多いのではないでしょうか。
排気量に応じて走行性能や維持費、免許区分、さらには乗れるシーンにも大きな違いが生まれます。
この記事では、バイク排気量一覧と各クラスの特徴から最新の法改正動向まで、選び方の基準を幅広く解説します。
排気量ごとのメリット・デメリットをしっかり把握し、あなたに最適な一台を見つけるためのヒントを紹介します。
バイクの排気量一覧と各クラスの特徴

バイクは排気量によってさまざまなクラスに分かれており、それぞれのクラスで特徴や使用目的が異なります。
ここでは、代表的な排気量ごとのバイクの特徴を紹介します。
50cc以下
50cc以下のバイクは、一般的に「原付」と呼ばれています。
通学や通勤、ちょっとした買い物など、近距離の移動に最適です。
燃費が非常に良く、車体も軽いため初心者にも扱いやすいのが特徴です。
法定最高速度や乗車人数に制限があり、二段階右折など独自のルールもあるため注意が必要です。
- 街乗りに最適
- 維持費や保険料が安い
- 16歳から運転可能
51cc〜125cc
このクラスは「原付二種」と呼ばれ、50ccを超える排気量で、力強い走りと利便性が特徴です。
法定速度が車と同じになり、二人乗りが可能なモデルも多くあります。
高速道路は利用できませんが、市街地や郊外への移動にも十分対応できます。
排気量 | 主な用途 | 代表車種 |
---|---|---|
51cc~110cc | 通勤・通学 | スーパーカブ110 |
111cc~125cc | ツーリング・街乗り | PCX125、アドレス125 |
126cc〜250cc
126cc〜250ccのバイクは車検が不要でありながら、高速道路の利用も可能です。
軽量な車体とパワフルな走りを兼ね備えているため、ツーリングから街乗りまで幅広く活躍します。
初心者でも扱いやすく、維持費も比較的安いのが魅力です。
251cc〜400cc
251cc〜400ccは中型バイクに分類され、街乗りからロングツーリングまで幅広く楽しめます。
加速力や安定性に優れ、高速道路での快適性も高いです。
車検が必要となりますが、大排気量バイクより維持費は抑えられます。
401cc以上
401cc以上のバイクは大型自動二輪に分類され、極めて高いパワーと高速性能を誇ります。
長距離ツーリングやスポーツ走行、さまざまなシーンで活躍します。
迫力あるデザインや走行性能を求める方におすすめです。
電動バイク
電動バイクはガソリンではなくバッテリーとモーターで走行します。
静粛性が高く、環境への配慮が求められる現代にマッチしています。
家庭用コンセントで充電できるモデルもあり、経済性と手軽さが魅力です。
パワーや航続距離はモデルごとに異なるため、用途に合った選択が大切です。
排気量別バイクでできること

バイクは排気量によって、それぞれ得意なシチュエーションや楽しみ方が異なります。
自身の使い方や目的に合った排気量を選ぶことで、より快適なバイクライフを実現できます。
街乗りや通勤・通学用途
小排気量のバイク、特に50ccから125ccクラスは、街中のちょっとした移動や通勤・通学に最適です。
コンパクトなサイズで小回りがきき、渋滞時でもスムーズに走行できます。
燃費に優れており、維持費も比較的安価です。
- 50cc:原付スクーターが中心。非常に手軽で維持費が安いが、速度制限や2人乗り不可など制約も多い。
- 〜125cc:街乗りや通勤・通学に最適。二段階右折が不要になり、走行の自由度が増します。
- 〜250cc:さらにパワフルで都市部だけでなく郊外にも対応しやすいです。
自宅周辺や日常の生活圏を走る人には、小排気量バイクがおすすめです。
ツーリングや長距離走行
ツーリングや週末のお出かけ、さらには遠方への旅行には、ある程度の排気量があるバイクが便利です。
エンジンに余裕があるほど長距離の走行や峠道の上りでも疲れにくくなります。
排気量 | 特徴 | 長距離適性 |
---|---|---|
125cc以下 | 燃費が良く経済的。力強さは控えめ。 | △(郊外までのツーリングは可能) |
126cc〜250cc | バランス型。高速走行以外は快適。 | ○(中距離ツーリング向き) |
251cc以上 | パワフルで余裕の走り。積載性も高いモデルが多い。 | ◎(ロングツーリング・高速移動も楽) |
たとえば仲間と遠方まで出かけたい場合は、250cc以上のバイクを選ぶと快適です。
高速道路の利用可否
バイクの排気量によって高速道路の利用可否が法律で定められています。
- 原付(50cc以下):高速道路は走行不可。
- 125cc以下(小型二輪):高速道路は走行不可。
- 126cc以上:高速道路走行が可能。
高速を利用して遠方まで移動したい場合は、必ず126cc以上のバイクを選びましょう。
高速走行では、より大きな排気量ほど安定感や余裕が感じられ、安全にもつながります。
バイクの排気量による免許区分

バイクには排気量に応じた免許区分があり、取り扱いのできるバイクの種類が異なります。
自分に合ったバイクを安全に運転するためにも、免許区分と対応する排気量をしっかり理解しておくことが大切です。
原付免許
原付免許では、50cc以下のバイクを運転できます。
主に通学や近距離の移動用として使われることが多く、運転しやすいのが特徴です。
道路交通法上は最高速度や二段階右折など、独自のルールも定められています。
- 排気量50cc以下
- 16歳から取得可能
- ヘルメットと免許証の携帯が義務
小型二輪免許
小型二輪免許で運転できるのは、125cc以下のバイクになります。
スクーターからマニュアル車まで幅広い選択肢があり、日常使いからツーリングにも使える排気量帯です。
普通自動車免許では乗れない車種も増えるため、幅広いバイクが楽しめます。
普通二輪免許
普通二輪免許があれば、400cc以下のバイクを運転することができます。
このクラスは種類も豊富で、長距離ツーリングやスポーツタイプのバイクにも乗れるのが魅力です。
免許種類 | 運転可能な排気量 |
---|---|
普通二輪免許(AT限定を含む) | 51cc〜400cc |
普通二輪小型限定免許 | 51cc〜125cc |
大型二輪免許
大型二輪免許を取得すると、排気量401cc以上のすべてのバイクを運転できます。
高出力でパワフルなバイクも選べるため、本格的にバイクを楽しみたい方に人気です。
自身の経験や体力に合わせてバイクを選ぶと、より安全で楽しいバイクライフを送ることができます。
排気量による税金や維持費の違い

バイクの排気量によって、税金や維持費にはさまざまな違いがあります。
排気量が大きくなるほど年間にかかる金額が高くなる傾向があり、所有する際の費用負担に影響します。
ここでは、自動車税、重量税、保険料といった主要な費用の違いについてご紹介します。
自動車税
バイクの自動車税は、排気量の区分ごとに毎年課税される税金です。
50cc以下の原付バイクから、400ccを超える大型バイクまで、排気量に応じて金額が異なります。
主な自動車税の区分と金額は以下のとおりです。
排気量区分 | 自動車税(年額) |
---|---|
〜50cc | 2,000円 |
51〜90cc | 2,000円 |
91〜125cc | 2,400円 |
126〜250cc | 3,600円 |
251cc〜 | 6,000円 |
このように排気量が上がるごとに税額も増加するため、購入前に確認しておくことが大切です。
重量税
バイクの重量税は、車検時に支払う税金です。
この税金は新車購入時や2年ごとの車検の際に必要となります。
- 〜125cc:重量税は課税されません(車検不要)
- 126〜250cc:新車購入時に一度きり2,400円
- 251cc〜:新車時および2年ごとの車検時に各3,800円
250cc以下のバイクは、車検そのものが不要のため、維持費はかなり抑えやすくなっています。
一方、251ccを超えるバイクは、定期的な車検と重量税の支払いが必要です。
保険料
バイク保険は、排気量によって加入できる種類や保険料の金額が異なります。
自賠責保険はすべてのバイクで必須ですが、排気量によって保険期間ごとの金額も変わります。
排気量区分 | 1年契約 | 2年契約 | 3年契約 |
---|---|---|---|
〜125cc | 7,540円 | 9,770円 | 11,960円 |
126cc〜250cc | 8,650円 | 12,220円 | 15,720円 |
251cc〜 | 8,650円 | 12,220円 | 15,720円 |
また、任意保険も排気量や走行距離、年齢などで保険料が異なります。
一般的に車両価格や排気量が大きいほど、任意保険料も高くなる傾向があります。
排気量ごとのバイク選びのポイント

バイクの排気量は車種選びの重要なポイントです。
それぞれの排気量には特徴やメリット・デメリットがあり、自分に合ったバイクを選ぶためには用途やライフスタイルに合わせた選択が必要です。
走る道や目的、予算も考慮しながら、最適な一台を見つけましょう。
初心者向けの選択基準
初めてバイクを選ぶときは、操作性や取り回しのしやすさが大切です。
一般的に125cc以下のバイクは車体が軽く、街中での走行や駐車がしやすいので初心者にもおすすめです。
自動車教習所で扱うことが多い250ccクラスも、適度なパワーと安定感があり人気があります。
最初は維持費が抑えやすく、日常使いに向いた排気量を選ぶことで無理なくバイクライフを始められます。
- 50cc以下:原付、通勤・通学向け、軽量で扱いやすい
- 51~125cc:スクーターやミニバイクが豊富、街乗りやちょっとした遠出も対応
- 126~250cc:高速道路利用可能、ツーリングもしやすい万能型
用途別のおすすめ排気量
バイクの使い方によっておすすめの排気量が変わります。
用途 | 推奨排気量 | 理由 |
---|---|---|
通勤・通学 | 50cc~125cc | 燃費と機動力が高く、維持費も安い |
街乗り | 125cc~250cc | 加速性・取り回し・コストのバランスが良い |
ツーリング | 250cc~400cc | 長距離もラクに走れるパワーと快適性 |
スポーツ走行・趣味 | 400cc以上 | 高い走行性能と満足感が得られる |
自分の乗りたいシーンに合った排気量をチェックしましょう。
維持費を重視した選択
バイクの維持費には、税金、保険、燃費、車検などさまざまな要素が関わります。
特に125cc以下は自動車税も安く、車検も不要なため、コストを抑えたい人には最適です。
250ccには車検がありませんが400ccを超えると車検が必要になります。
さらに燃費や消耗品の価格も排気量によって差があるので、維持費を比較して選ぶのも大切です。
趣味や使用頻度に応じて無理のない排気量から選びましょう。
バイクの排気量と法改正による最新動向

バイクの排気量区分や規制は、時代とともに変化しています。
2025年には新たな法改正が予定されており、今までのバイク選びやライセンス取得の基準が見直される動きが進んでいます。
特に原付バイクを中心に、排気量区分が変更されることで、多くのライダーに影響を与えることが予想されています。
今後は環境対応の強化や、多様なニーズに応えるための区分見直しが進んでいくでしょう。
2025年原付規制と排気量区分の変更
2025年に予定されている原付バイクの法改正では、従来の50cc以下という排気量区分が廃止される予定です。
これまでの「原付一種(50cc以下)」が、「原付(125cc以下)」へと変更され、排気量の上限が引き上げられます。
また、電動バイクといった新しいカテゴリーも加わり、排気量だけでなく出力や最高速度も区分の判断材料となる見込みです。
従来の区分 | 新しい区分(予定) | 主な基準 |
---|---|---|
原付一種(50cc以下) | 原付クラス(125cc以下) | 排気量・最高速度 |
原付二種(51~125cc) | 小型二輪クラス | 排気量・最高速度 |
このように、排気量区分の見直しはバイクの選び方や運転免許の枠組みにも大きな影響を及ぼします。
今後主流となる排気量帯
法改正によりバイクの排気量区分が変わることで、今後どの排気量帯が主流となるのか気になる方も多いでしょう。
- 原付クラスが従来より広がり、50~125ccがより身近な存在になります。
- 都市部ではコンパクトかつ燃費の良い125ccクラスが人気です。
- 高速道路の利用ができる250ccや400ccクラスも、今後は利便性の高さから支持を集めるでしょう。
- 排ガス規制の強化により、電動バイクやハイブリッドバイクの需要も高まっています。
環境意識の高まりもあり、排気量の大きなバイクよりも、日常使いに適したコンパクトなモデルへのシフトが加速しそうです。
法改正で起きる変化
法改正が実施されることで、バイクを取り巻く環境や運転者の行動にはどのような変化があるのでしょうか。
第一に、従来は原付でしか走れなかった層が、より高性能なバイクを手軽に選べるようになります。
また、運転免許の取得条件が変わることで、若年層や女性など新しい層のライダー増加も期待されています。
電動バイクにも注目が集まり、エコ志向の高まりとともに多様な選択肢が提供されるでしょう。
バイクメーカーや販売店も新しい区分に合わせた商品開発やサービスに注力し、利用者のニーズやライフスタイルに合わせた提案が進んでいく見込みです。
自分に合った排気量のバイクを見極めるポイント

バイク選びで排気量を決めるときは、ライフスタイルや用途、自分の経験などをしっかり考えることが大切です。
排気量が小さいバイクは取り回しがしやすく、維持費も比較的安いので、初めてバイクに乗る方や通勤・通学で毎日使いたい場合にぴったりです。
反対に大きな排気量のバイクは、パワーや高速道路での走行安定性が魅力です。
ツーリングや長距離の移動を楽しみたい方、趣味として迫力のある走りを味わいたい方にはおすすめできます。
また、排気量によって必要な免許の種類や、保険・税金の負担も異なります。
自分がどのような使い方をしたいか、どんなバイクライフを送りたいのかをイメージすることが、自分に合った排気量を見極めるポイントです。
迷った場合は、試乗や実際にバイクに跨ってみてサイズ感や重さも確認してみましょう。
自分に合うバイクを選ぶことで、安全で快適なバイクライフを始められるはずです。