バイクのエンジンがかからないと、通勤やツーリングの計画が台無しになってしまいますよね。しかし、その大きな困りごとは必ずしも深刻な故障によるものではありません。しばしば原因はセルが回らないことにあり、一人でも対策を講じることができます。
この記事では、バッテリーの確認方法やセルモーターの故障対応、さらにはヒューズ断線や電装系の不具合に関する具体的な対策まで網羅しています。これらの知識があれば、いざという時に慌てず対応できるでしょう。
日常のメンテナンスから修理費用の概算まで、セルが回らない状況を乗り越えるための情報を提供しますので、ぜひご一読ください。
バイクのエンジンがかからない時、セルが回らない原因と対策

バイクのエンジンがかからず、セルが回らないときは焦ってしまうものです。しかし、よくある原因を理解し適切に対処すれば、問題を解決するのはそれほど難しくありません。
まずは、バイクの基本的なシステムを確認することから始めましょう。この記事では、バッテリーやセルモーター、電装系の問題など、具体的な原因とその対策について解説していきます。
バッテリーの確認と対処方法
エンジンがかからない最も一般的な原因の一つがバッテリーの問題です。まず、バッテリーの電圧をテスターで確認し、規定値より低い場合は充電を行ってください。
充電しても改善しない場合は、バッテリー自体の寿命が来ている可能性があります。この場合は、新しいバッテリーへの交換が必要です。
また、ターミナルの接続状況や腐食なども確認し、必要に応じてクリーニングや接続の修正を行いましょう。
バイクのバッテリー寿命の確認方法も合わせてチェックすると、交換時期を見極めやすくなります。

セルモーターやスターターの故障
セルモーターやスターターの故障も、セルが回らない原因として考えられます。セルモーターが正常に動作しているかを確認するには、セルを押した際の音や振動を観察しましょう。
スターターリレーの点検も忘れずに行い、必要であれば交換を考えてください。
以下はセルモーターやスターター関連のチェックポイントです。
- セルモーターのスイッチが正常に作動しているか
- 配線に断線や接触不良がないか
- スターターリレーの動作確認
ヒューズの断線の確認方法
ヒューズが断線していると、電気が通らずエンジンがかからないことがあります。まずは、ヒューズボックスを開けて見た目をチェックしましょう。
次に、テスターを使って導通を確認します。断線している場合は、同規格の新しいヒューズに交換してください。
ヒューズの種類 | 規格電流 |
---|---|
メインヒューズ | 10A〜30A |
アクセサリーヒューズ | 5A〜15A |
電装系の故障とその対処法
電装系の故障が原因でセルが回らない場合もあります。この場合、配線が劣化していたり、アースが適切に取れていない可能性があります。
配線のチェックを行い、必要に応じて劣化部分を修正したり、新しい配線に引き替えることを検討してください。
アース不良を防ぐためには、接触部位をきちんと清掃し、しっかりと固定することが重要です。
安全機能の影響と解除方法
安全機能が作動してセルが回らないこともあります。特にクラッチレバーのスイッチやキックスタンドスイッチが解除されていないと、エンジンの始動を妨げることがあります。
まずはクラッチレバーを完全に握り、スタンドを完全に戻した状態でセルを試してみてください。これにより問題が解消されることが多いです。
キルスイッチとサイドスタンドの確認
意外と見落としがちなのがキルスイッチやサイドスタンドの確認です。これらがオフになっているとセルは回りません。
キルスイッチがオンの位置にあるか確認し、サイドスタンドが完全に戻されていることを確認してください。これらはごく基本的なチェック項目ですので、エンジンがかからないときにはまず最初に確認する習慣をつけましょう。
キルスイッチのオンオフはどっちにすればいい?で正しい操作方法も確認しておくと、今後のトラブル防止につながります。

セルが回らないが電気はつく場合の対処法

車のエンジンが始動しないのに、電気系統のライトやメーターは正常に動くという症状は、ドライバーとして混乱を招くことがあります。
このような場合、いくつかの原因が考えられるため、適切な対処法を知っておくことが重要です。
以下にその具体的な方法を紹介しますので、安心して対処してください。
ヒューズや配線の不具合をチェック
まず最初に、ヒューズボックスを確認して、特にスターター用のヒューズが切れていないかチェックしてみましょう。
ヒューズが切れている場合は、新しいものに交換してください。
- ボンネットを開けてヒューズボックスを探す。
- 取扱説明書を参考にしながら、適切なヒューズを特定する。
- 必要に応じて、予備のヒューズを使用して交換する。
また、配線の接続が緩んでいたり断線している可能性もあるので、プロに診てもらうのも一つの方法です。
バッテリーの内部抵抗の影響
電気がつくにも関わらずセルが回らない場合、バッテリー自体の内部抵抗が影響している可能性があります。
特に寒冷地やバッテリーの寿命が近づいている場合には、この症状が出やすくなります。
症状 | 対策 |
---|---|
ライトが暗くなる | バッテリーの交換を検討 |
スターターが反応しない | ジャンプスタートを試みる |
バッテリーの端子をしっかりと締め直し、必要であれば新品に交換することで問題が解決することがあります。
安全装置が解除されているか確認
現代の車には、様々な安全装置が装備されています。
たとえば、ギアがパーキング以外の位置であれば、エンジンは始動しません。
また、イモビライザーシステムが誤作動している場合もあります。
このような場合は、次の点を確認してください。
- シフトレバーが「P」または「N」の位置にあるか確認。
- イグニッションキーを確認し、必要であれば再設定を行う。
- カーバッテリーが十分にチャージされているか確認。
これらの問題を確認し、改善されない場合は、専門家に相談することをおすすめします。
セルが回らない時の応急処置と予防策

車のセルが回らないというトラブルは、誰にでも起こりうる問題です。適切な応急処置を施すことで、バッテリーの問題やセルモーターの不具合に対処することができます。ここでは、その場でできる対処法と、問題を未然に防ぐための予防策について解説します。
ブースターケーブルの使用方法
バッテリーが上がってしまった場合、ブースターケーブルを使用することが一般的な応急処置です。まず、動作する車を準備し、両車をできるだけ近づけて駐車します。
- 赤いケーブルを上がったバッテリーのプラス端子に接続します。
- 同じ赤いケーブルのもう片方を、動作する車のプラス端子に接続します。
- 黒いケーブルを動作する車のマイナス端子に接続します。
- 黒いケーブルのもう片方を、上がったバッテリーのマイナス端子ではなく、エンジンブロックや車体の金属部分に接続します。
- 動作する車のエンジンをかけ、少し時間を置いてから、上がったバッテリーの車のエンジンをかけます。
エンジンがかかったら、接続を逆の手順で外します。その後、少し走行してバッテリーを充電します。
セルモーターを軽く叩く方法
セルモーターに不具合がある場合、軽く叩くことで一時的に回復することがあります。必要なのは、叩く道具と慎重さです。ただし、この方法は応急処置であり、根本的な解決には修理が必要です。
セルモーターの位置を確認し、適切な場所を選んでください。固くて長い棒やハンマーを使用し、モーターを軽く叩きます。注意深く行い、配線や他の部分を壊さないようにしましょう。これでエンジンが始動すれば、早めに整備工場で点検を受けてください。
ロードサービスに連絡する手順
自力での対処が難しい場合は、ロードサービスを利用するのが安心です。以下に連絡手順を示します。
- 保険証書を確認し、加入しているロードサービスの連絡先をメモします。
- 携帯電話から、提供された連絡先に電話をかけます。
- オペレーターに、自分の状況や車の位置、車種情報を伝えます。
- 指示に従い、必要な処置を待ちます。安全な場所で待つことを心掛けてください。
ロードサービスのスタッフが到着次第、状況に応じた適切な処置をしてくれます。保険によっては、料金が無料または割引されることもあるため、事前に確認しておくと良いでしょう。
定期的なメンテナンスの重要性
日頃から定期的なメンテナンスを行うことで、セルが回らない問題を未然に防ぐことができます。特にバッテリーやセルモーターのチェックは重要です。
以下の表に、主なメンテナンス項目とその推奨頻度を示します。
メンテナンス項目 | 推奨頻度 |
---|---|
バッテリーの電圧チェック | 6ヶ月毎 |
セルモーターの動作チェック | 1年毎 |
エンジンオイルの交換 | 5000km毎 |
これらの点検を定期的に行い、異常を早期に発見することで、大きなトラブルを回避することができます。セルが回らない問題は、予防措置が最も効果的です。安心して車を使用するためにも、普段から意識してメンテナンスを行いましょう。
バイクのセルが回らない時の修理費用と専門店の選び方

バイクのセルが回らなくなると、非常に困ります。原因にはバッテリーの問題やセルモーター自体の故障などがあります。これから、修理にかかる費用と専門店の選び方について詳しく見ていきましょう。
セルモーターや部品の交換費用
セルモーターが故障した場合、交換が必要になります。セルモーターの価格は車種によって異なりますが、一般的には3,000円から10,000円程度です。
交換作業が自分でできない場合は、整備工場やバイクショップに依頼することが一般的です。工賃は5,000円から15,000円程度と幅がありますので、事前に確認が必要です。
また、バッテリーが原因の場合、新しいバッテリーへの交換が必要です。バッテリーの価格は、2,000円から5,000円程度となります。
バイク走行中にエンストする原因とはも確認しておくと、始動後のトラブル回避に役立ちます。

専門店での修理のメリット
- 専門知識を持つプロが対応するため、安心して任せられる
- 故障原因を的確に診断し、適切な修理を施してくれる
- 作業の質が高く、保証がつくことが多い
専門店で修理を行うと、自己流での修理よりも確実性が高く、再発防止にもつながります。時間を節約でき、安心感も得られるため、おすすめです。
ディーラーと整備工場の選び方
バイクの修理を依頼する際、ディーラーと整備工場のどちらを選ぶか悩むことがあります。それぞれにメリットがありますので、自分に合った選択をすることが大切です。
選び方のポイント | ディーラー | 整備工場 |
---|---|---|
価格 | 比較的高い | 手頃なことが多い |
技術力 | メーカー指定の技術者 | 経験豊富な職人が多い |
保証 | 保証が充実している | 保証の内容はショップによる |
ディーラーはメーカーの指導を受けた技術を提供するため、品質面での安心感がありますが、その分、価格が高くなることがあります。一方、整備工場は、費用を抑えつつ高い技術を提供することが多く、信頼できる店を選ぶことができればお得な選択です。
バイクの車検時間を出し方別に比較の記事では、ディーラー車検とユーザー車検の時間の違いについても詳しく説明しています。

バイクのエンジンがかからない、セルが回らない場合の対応

バイクのエンジンがかからず、セルが回らないときは焦らずに原因を特定し、適切な対処を行うことが重要です。まずは、バッテリーが正常であるかどうかを確認してください。バッテリーが上がっている場合は充電や交換を検討しましょう。次に、スタートボタンが正常に機能しているかをチェックします。また、ヒューズが切れていることも原因の一つです。最後に、スターターリレーやモーターの故障も考えられるため、異常がある場合は専門家に相談することをおすすめします。バイクがスムーズに始動するよう、日頃からのメンテナンスも大切にしてください。
バイクのバッテリーの充電時間は?の記事では、初心者でも失敗しない充電のコツと注意点を詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
