バイクを売る・譲るとき、譲渡証明書の書き方で迷って焦っている方は少なくありません。
記入漏れや車台番号の転記ミス、押印の扱いを誤ると名義変更が進まず時間や費用がかかる危険があります。
本記事では必要記入項目のチェックリスト、具体的な記入例、訂正手順を図示しながら丁寧に解説します。
原付から小型二輪までの排気量別注意点や用紙の入手方法、運輸支局での申請連携、よくある誤りと回避策も扱います。
ダウンロード先やコンビニ印刷の方法も紹介するので、実際に書く前に一通り確認しておくと安心です。
まずは必要項目を一つずつチェックして、本文で詳しい記入例を確認しましょう。
バイクの譲渡証明書の書き方
譲渡証明書は名義変更のために必ず必要になる重要な書類です。
正確に記入することで手続きがスムーズになり、後のトラブルを防げます。
必要記入項目
まずは必要な項目を漏れなく準備することが基本です。
- 車台番号
- 譲渡年月日
- 譲渡人氏名住所
- 譲受人氏名住所
- 印鑑または署名
上の項目は運輸支局や保険手続きで必ず確認されます。
車台番号
車台番号は誤記が最も多い箇所なので、原本と現車の刻印を必ず照合してください。
英数字の0とO、1とIの区別に注意するとミスが減ります。
車体の刻印位置が分からない場合は、車検証の表記と照らし合わせると見つけやすいです。
譲渡年月日
譲渡年月日は実際に所有権を移した日を記入してください。
西暦か和暦の指定がある場合はフォームに合わせて統一しましょう。
未来日や未確定の日付を書かないように注意してください。
譲渡人情報
譲渡人側は登録されている氏名と住所を正確に書くことを心がけてください。
本人確認書類と相違があると手続きが止まるため、旧住所や旧姓が残っていないかも確認します。
法人が譲渡する場合は代表者名と法人名、印鑑の扱いをあらかじめ確認してください。
譲受人情報
譲受人の氏名住所は住民票と一致させるのが安全です。
未成年が譲受ける場合は保護者の同意書や委任状が必要になることがあります。
電話番号やメールアドレスなど連絡先を記載しておくと、後の確認がスムーズです。
印鑑・署名
譲渡証明書には押印または署名が求められますが、自治体や手続き先で細かな要求が異なります。
実印の押印と印鑑登録証明書が必要かどうかは、事前に確認しておくと安心です。
認印で済む場合もありますが、重要な取引では実印や署名の併用を検討してください。
記入例
記入例を見本にして、まずは下書きで練習するとミスが減ります。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 車台番号 | JH2SC1234A0001234 |
| 譲渡年月日 | 2025年10月01日 |
| 譲渡人氏名 | 山田太郎 |
| 譲受人氏名 | 佐藤花子 |
| 印鑑 | 認印 |
表の例を参考にしつつ、自分の書類に誤りがないか最後にもう一度確認してください。
万が一不明点があれば、運輸支局や窓口で直接確認するのが確実です。
ダウンロードと用紙入手方法
譲渡証明書の用紙は入手方法が複数あり、状況に応じて最も便利な手段を選べます。
ここでは運輸支局での窓口入手、国土交通省のPDFダウンロード、市区町村窓口での配布、そしてコンビニ印刷の利用方法を詳しくご案内します。
運輸支局の用紙
もっとも確実なのは運輸支局の窓口で直接用紙を受け取る方法です。
窓口では最新の様式を手に入れられ、記入に関する簡単な質問にも対応してもらえます。
| 入手場所 | 特徴 |
|---|---|
| 運輸支局窓口 | 即時受取可能 |
| 自動交付機 | 機械で入手可能 |
| 各支局の案内所 | 相談しながら取得 |
平日の日中が混み合うことが多く、時間に余裕を持って訪れるのが安心です。
また、支局によっては土曜窓口を設けている場合があるため、事前にホームページで開庁日を確認してください。
国土交通省のPDF
国土交通省の公式サイトでは譲渡証明書のPDFを公開していることが多く、自宅でダウンロードして印刷できます。
ダウンロード前に最新版かどうかを必ず確認し、様式が古いと手続きで拒否される可能性があります。
PDFを印刷する場合はA4サイズでの出力を推奨し、余白を自動調整しない設定で印刷すると原本に近い見た目になります。
画質が悪いと読み取りや判読で問題が出ることがあるため、プリンタの解像度設定は高めにしておくと安心です。
市区町村窓口
一部の市区町村では譲渡証明書を配布していることがあり、役所で直接受け取れる場合があります。
特に原付など小型車両の手続きで役所と連携しているケースがあるため、地元の窓口に問い合わせてみてください。
- 窓口名確認
- 配布時間の確認
- 必要書類の有無
- 無料配布か有料か
窓口配布は不明点をその場で確認できる利点があり、初めての名義変更でも安心して進められます。
コンビニ印刷
PDFを入手すれば、コンビニのマルチコピー機で印刷する方法も便利です。
主要なコンビニではPDFファイルの印刷に対応しており、USBやクラウド経由で出力できます。
ただし、コンビニ印刷は用紙の品質や色味が家庭用プリンタと異なることがあるため、重要書類として扱う際は印刷結果をよく確認してください。
名前や日付などを手書きで記入する場合は、印刷された文字の上に書いても判読に問題がないかを事前にチェックすると安全です。
最後に、用紙入手後は氏名や車台番号の記入ミスを防ぐため、記入前に必要事項を整理しておくことをおすすめします。
誤記と訂正の手順
譲渡証明書の誤記は、名義変更に影響しますので、見つけたら速やかに対応することが重要です。
ここではよくある転記ミスの例と、訂正印の扱い方、再作成の判断基準をわかりやすく解説いたします。
転記ミス
車台番号や排気量、譲渡年月日の数字間違いは特に多く、見落とすと手続きが止まることがあります。
誤字や読み間違いを防ぐためにも、記入後に原本と照合する習慣をつけてください。
| ミス例 | 対処方法 |
|---|---|
| 車台番号の数字抜け | 正しい番号で書き直し |
| 排気量の誤記 | 再確認して訂正 |
| 譲渡年月日の入力ミス | 訂正印で修正または再作成 |
表は典型的なミスとその基本的な対処を示していますので、まずは原因を確認してください。
転記ミスが見つかった場合は、軽微な誤りなら訂正で済むことが多いです。
ただし、重要な番号が変わっているときは再作成を検討した方が安全です。
訂正印の扱い
訂正する際は、単に消しゴムや修正液を使わないことが原則です。
正しい手順を踏めば、窓口での確認もスムーズになりますので落ち着いて対応してください。
- 二重線で取消
- 訂正印を押印
- 押印者の署名併記
- 修正箇所の説明文添付
具体的には、誤った部分を二重線で消してから、訂正印をその上に押します。
訂正印は譲渡人または譲受人のものを使うのが一般的で、窓口で確認されるケースが多いです。
もし印鑑が用意できない場合は、窓口で別途指示を受けた方が確実です。
再作成
訂正で済まない場合や、訂正が多すぎて読みづらくなった場合は再作成をおすすめします。
再作成する際は、古い用紙は破棄せず、念のため保管しておくと後で確認が容易になります。
再作成の際に必要なのは、本人確認書類と車検証または軽自動車届出済証の原本です。
記入はボールペンの黒インクで行い、署名欄や印鑑欄は必ず確認してから提出してください。
最後に、名義変更手続きがスムーズに進むよう、相手方と連絡を密にしておくことをおすすめします。
排気量別の記入と手続き注意
バイクの譲渡では排気量によって記入項目や必要手続きが変わります。
ここでは125cc以下の原付から250cc超の小型二輪まで、注意点を分かりやすく整理します。
原付(125cc以下)
125cc以下の原付は、車検の有無や届出窓口が大きく異なる点に注意してください。
多くの場合、手続きが比較的簡素で、ナンバープレートや標識の扱いがポイントになります。
譲渡証明書には排気量と車台番号を正確に記入し、譲受人側でも確認を怠らないでください。
以下は手続きでよくある確認事項です。
- 必要書類の有無
- ナンバーの引継ぎ
- 自賠責保険の継続
- 廃車届の要否
市区町村窓口での手続きや、軽自動車検査協会での処理が必要になる場合があるため、事前に確認すると安心です。
軽二輪(125cc超~250cc以下)
軽二輪は中間的な扱いで、書類の準備と運輸支局での申請が重要になります。
車検の有無や書類の種類は車両の状態や年式で変わるので、必ず事前確認してください。
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 名義変更 | 運輸支局での申請 |
| 必要書類 | 譲渡証明書 車検証 身分証明書 |
| 自賠責 | 継続または再加入 |
| ナンバー | 引継ぎ可能な場合あり |
表の項目はあくまで代表的なものですので、実際は管轄の運輸支局や保険会社に問い合わせしてください。
小型二輪(250cc超)
250cc超の小型二輪は手続きが最も厳格になる場合が多く、車検や税金面の確認が重要です。
譲渡時には車検証の内容、車検残の有無、税金の清算について売主と買主で取り決めておいてください。
運輸支局での名義変更は書類不備があると手続きが止まるため、譲渡証明書を中心に記入漏れがないか何度もチェックしてください。
また、委任状が必要な場合や実車を持ち込む確認が求められるケースがあるので、事前に必要書類一覧を確認することをおすすめします。
自賠責保険の引継ぎやナンバープレートの処理については、どちらが費用を負担するか明確にしておくとトラブルを防げます。
名義変更と連動する手続き
バイクの譲渡は譲渡証明書の交付だけで終わらず、複数の手続きが連動しています。
名義変更をスムーズに進めるために、受渡しから登録変更までの流れを理解しておくと安心です。
譲渡証明書受渡し
譲渡の場面では譲渡証明書を確実に受け渡すことが最優先です。
売り手は原本を手渡しし、買い手は受領印や署名を確認してください。
原本の受渡しが完了したら、双方が写しを保管しておくとトラブル時に役立ちます。
記名や押印漏れは後の名義変更で不備となるため、記入内容をその場で確認する習慣をつけてください。
運輸支局申請
名義変更の申請は管轄の運輸支局または軽自動車検査協会で行います。
窓口では譲渡証明書のほかに車両を確認する書類や本人確認書類が求められます。
| 書類 | 用途 |
|---|---|
| 譲渡証明書 | 所有権の移転手続き |
| 車検証または標識交付証明 | 車両の登録情報確認 |
| 印鑑証明 | 譲渡人の本人確認 |
| 本人確認書類 | 申請者の身元確認 |
| 委任状 | 代理申請を行う場合の証明 |
申請に必要な書類は地域や車種で異なるため、事前に運輸支局の案内を確認すると確実です。
手数料や処理にかかる日数も窓口で案内されますので、準備の目安になります。
自賠責保険引継ぎ
自賠責保険は名義の引継ぎや契約更新が関係しますので重要なポイントです。
買い手は既存の自賠責保険を引き継ぐか、新規契約にするかを譲渡前に確認してください。
- 保険証券の受け渡し
- 未経過保険料の精算
- 保険名義の変更手続き
- 必要に応じた補償内容の見直し
保険会社によって手続き方法や必要書類が異なりますので、契約先に連絡して案内を受けてください。
特に未経過分の精算や払い戻し条件は契約によって変わるため、金銭面の取り決めは書面で残すと安心です。
ナンバープレート処理
ナンバープレートの扱いは譲渡後の処理でよく問題になります。
原則として車体についているナンバープレートは車両と一緒に移転する場合が多いです。
ただし廃車や名義変更で新しい番号にするケースでは、返納や再交付の手続きが必要になります。
返納先や手続き場所は自治体や運輸支局によって異なるため、事前確認をおすすめします。
ナンバープレートに関するルールを確認し、トラブルを避けて円滑に名義変更を完了させてください。
譲渡後の保管とトラブル回避
譲渡証明書の原本は必ず保管し、コピーを譲受人にも渡しておきます。
保管期間は最低でも5年を目安にすると、後からのトラブル対応が楽になります。
名義変更や自賠責保険の引継ぎが完了したことを文書やメールで確認しておくと安心です。
取引時の車体写真や身分証の写し、領収書なども合わせて保存しておくと証拠になります。
もし相手が手続きをしない場合は、運輸支局や保険会社へ状況を相談し、記録を残してください。
譲渡証明書を紛失した際の再発行は困難なので、受渡し時に受領の署名をもらっておくことを勧めます。
些細な誤解でも長期化すると面倒になるため、やり取りはなるべく書面化して証拠を残しましょう。

